市民後見人

専門職後見人は数が少な過ぎるから!

このメニューは謂わば「オピニオン」です。
2015年の推定認知症高齢者は460万人。成年後見制度を利用した人は18万人です。制度の抜本改善が求められています。

原因は「報酬が低い」,「刑事犯罪リスクが高い」などが挙げられます。一挙には解決できない難問を孕んでいます。

成年後見制度とは?
成年後見制度とは、認知症(及び精神障害、知的障害)の人について、判断力が低下した場合に、法定代理人である成年後見人らが、財産管理や身上監護(施設入所の支援等)をします。そのお世話の制度指します。

制度には法定後見制度と任意後見制度があります。
前者の法定後見制度の利用には家族らが家庭裁判所に申出ます。裁判所が選任します。本人の判断能力に応じて後見人,保佐人,補助人の3種類を選定して選任します。また必要があれば、監督人も選任します。

後見人の権限拡大
民法と家事事件手続法の改正で次の権限が強化されます。
 ⑴ 被後見人(死亡した被相続人)の、火葬・
  埋葬に関する契約の代理権
 ⑵ 被後見人への郵便物(開封を含む)の管理権
 ⑶ 被後見人への医療行為(手術等)の同意権

今後の制度改革スケジュール
次の項目は「制度利用促進法」施行令を3年以内を目途に検討することになっています。
 ⑴ 被後見人の権利制限見直し
  会社の取締役、公務員資格など、資格制限の
  見直し
 ⑵ 後見人の成り手が不足することへの対策
 ⑶ 後見人の監督体制の強化

しかし、趨勢から観て、2025年には認知症高齢者は700万人と推定されます。
統計としては、施設に入れない所謂「施設難民」は、相当数に上ります。

市民後見人の養成
後見人制度育成のため、専門職の成年後見人には限界があります。そこで政府は「市民後見人」を育成しようとしています。

しかし「成年後見人」の報酬が@月2万円~3万円程度です。受け持ちできるのは、常識的には3名~5名程度です。後見人が、これで生活するのは難しく、多分、希望者が少ないと思われます。

また被後見人の財産を使い込む犯罪も増えています。政府は行政機関を組み入れた「後見人監督体制」を模索しています。

市民後見人制度、後見人監督制度は、充実に時間が掛かります。高齢化の進み具合が早く、制度が追いつくには時間が間に合わない現実があります。働く高齢者については、企業も一定の役割が求められる時代が来るような気がします。当社は「成年後見人コンサルタント」業務を開発しているのは、そのような背景からです。